行政書士事務所の財産は完成されたヒアリングシートです。
建設業許可や宅建業免許、相続に会社設立など行政書士業務を行う上で、ヒアリングシートとチェックリストは絶対に欠かせないものです。
ヒアリングシートは相談者や依頼主との面談で、許認可の要件を聞き出すときに聞き漏れを防ぐために使うものです。
ヒアリング不足は業務の遅延に不許可に最悪は依頼された業務を放置するという事件に発展するリスクがある非常に恐ろしいものです。
リスクについての記事は「ヒアリング不足が業務の遅延と放置を生み出す。」で解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。

私も建設業許可や宅建業免許の申請業務をする際は、ヒアリングシート等を駆使しています。
人間の記憶や目を絶対視してはいけません。
一番当てにならないのが自分自身だと思うくらいで丁度良いですね。
ネットや市販されているツールの問題
ネットで無料・有料を問わず入手したヒアリングシートなどには、3つほど問題があります。
・いつ作られた物か?
・どこの都道府県の許可申請か?
・本当に正しいの?

この3つの問題をキッチリと押さえておかないと、大枚を叩いて買ったツールもガラクタです。
無料で拾ってきたものに関しては言わずもがなです。
ツールはいつ作られた物か?
ネットで見つけたツールですが、それは最新のものでしょうか。
数年前に作られたヒアリングシートはそのままでは使えません。
許認可の根拠法や施行令や通達は頻繁に改正されます。
例えば建設業許可の手引きは半年ごとに改訂版が都道府県から発行されます。
入管業務の在留資格も少し前に大幅に変更されました。
民事業務で必須の民法も平成27年に改正され、平成32年(2020年)に施行されます。
また宅建業免許では保証協会に加入します。
最近、全国宅地建物取引業協会では推薦人の要件が廃止されました。
行政庁以外で必要な情報も追いかけていかなければいけません。

宅建業専門と言っていながら、昔の基準を堂々と掲載しているサイトが多いです。
どこの都道府県の許可申請のヒアリングシート?
許認可業務には地域ごとのローカルルールが存在します。
根拠法は同じでも解釈の仕方や要件を確認する書類や立証方法が違うことなんて、ザラにあります。
宅建業免許の申請を例にとると、
・埼玉県では電子申請が可能と聞きます。
・大阪府では電子申請はかなり昔に廃止されています。
建設業許可の場合だと
・新規申請は普通は持参だけど、郵送が可能な県が1か所あります。
・実務経験を証明する際に請求書に対応した通帳が必要。
・請求書も12か月に1枚でOKなところと、1か月に1枚が必要な県がある。
・独特の救済制度がある県がある。
・正本・副本を3冊必要なところがある。
・副本のハンコもコピー不可な県がある。
自分の事務所がある地域以外のヒアリングシートは作り直し必須。
例えば東京の行政書士が東京都の許可基準で作った書式は、大阪では要件が微妙に異なってそのままでは使えません。
(書籍などは東京の事例をベースにされていることが多い。)

ローカルルールの違いをチェックしながら、ヒアリングシートを作り直すのは、一から作るのと同じくらいに手間がかかりますよ。
本当に正しいの?
最後の問題はネットで拾ったにせよ、購入したにせよ、それが本当に正しい情報で作られているか担保されていません。
作成者も人間です、人は間違えます。
不正確な情報で作られたチェックリストは、聞き洩らしなどの事故の元です。

信頼できる所から購入したものでも、必ず情報の裏を取ることを怠ってはいけません。
それは専門家としての仕事を放棄しているに等しいです。
また、それが実務の勉強に繋がります。
ヒアリングシートは自分で作る
行政書士事務所を開業する際に、真っ先に行うのがチェックリストとヒアリングシートの作成です。
建設業許可などの許認可業務であれば、手引を確認しながら必要な書類をリストにしたり、許可の要件を抽出します。
その後に使い易い書式や表にしていきます。
相続なら相続業務の教科書や専門書を同じように必要な情報をピックアップしていきます。
こちらのページに即独した行政書士の管理人が辿り着いた許認可業務を覚える方法をご紹介しています。
ご興味がある方はこちらもどうぞ。
自分でチェックリスト等を作るのは想像以上に大変です。
使いやすいヒアリングシートを作るのは、考えているよりもシンドイ仕事です。
経験の無い業務を手引や教科書を確認しながら、数枚のペーパーに纏めるのですから。

許可を取るために不必要な情報を集めていないか、要件の聞き出しに漏れがないかの確信が持てないのが厳しいですね。
他人が作ったヒアリングシートは使いにくい
有料・無料のヒアリングシートを入手して、シミュレーションをしてみると・・・
たいていのツールは使い辛いものです。
質問項目で抜けがあったり、ヒアリングする順番がバラバラだったりして、妙にストレスが溜まります。

ツールは製作者が使いやすい仕様になっていますからね。
人の作ったツールを作り直してもシックリと来ないものです。
見本にはなりますが、実践で使いづらいにはマイナスですね。
ネットや市販されたヒアリングシートを探す。
自分で作ったヒアリングシートに自信が持てなくなって、ネットでひな形を探します。
ネットで検索すると意外とリストやシートがヒットします。

自分で作ったヒアリングシートに自信が持てなくて、ネットでツールを漁りまくったことがありました。
お手本にするには最適です。無料でサクッと業務がスムーズに進むのなら最高ですね。
実際はそんなに甘くないですけど。
会社設立のチェックリスト
Googleで「会社設立 ヒアリングシート」で検索してみると、複数のPDFファイルがヒットします。
なかにはワードやエクセルのファイルもありますので、加工しやすいので便利ですね。
行政書士や司法書士事務所が作成したものを顧客向けに公開しているのだと思います。
株式会社の他に合同会社や一般社団法人のヒアリングシートもありました。
相続業務のヒアリングシート
相続業務のヒアリングシートも比較的ネットで見つけることが可能です。
Googleで「相続 相談 ヒアリングシート」で検索すると多数ヒットします。
もしかしたら一番多く手に入るのが相続関係のヒアリングシートではないでしょうか。
建設業許可のヒアリングシート
建設業許可のツールは無料で手に入るものは少ないです。
ネットで検索したら千葉県の行政書士さんが作ったものが1個だけありました。
後は何処か忘れましたが、ネットのダウンロードサイトで見つけて落としたことがあります。

建設業許可のヒアリングシートは、事務所の財産ですからね。
飯の種を一般公開する愚を犯す人は殆どいませんね。
やっぱり・・・
数が多くなりすぎて訳が分からなくなります。
ネットでヒアリングシートを集めて、良いとこ取りすれば完璧なツールができると思われます。
実際は情報が多くなりすぎてグチャグチャになってしまいます。
特に開業当初で業務経験がない時期であればなおさらです。

自分でヒアリングシートが作れないのは、必要な情報を理解していないから。
分からないものを大量に集めても、意味がないのは自明の理ですね。
それに気が付いた時には、PC上に大量のPDFがありました。
行政書士の業務ツールはネット上で販売されています。
インターネットでツールを探していると、有料で販売しているサイトがあることを知ります。
有料のツールの利点は、統一された書式ですかね。

ネットで拾って合体させたツールは、統一感がなくて不格好な代物でしたね。
使えないことはないですけどね。
有料のツールは高額です。
ネットで見つけたのは、
・東京のGという行政書士法人が出している実務講座DVDの教材になっているもの。
・熊本のWという行政書士法人が出している書式ツール。
・埼玉のA事務所が出している建設業許可専用の書式集。
・H社という株式会社が出している行政書士開業ツール。
どれも安くはありません。
最低でも5万円から50万円以上するものがありました。
またセットだけでなく、単品で1つ1万円前後でバラ売りされているケースもあります。

私も上記のサイトから単品で幾つか購入しました。
大半はPCのHDDの肥やしになっています。
使いこなせない私が悪いのか、それとも・・・・
有料のツール、必ずしも最適化されていない。
有料の行政書士実務ツールを購入する人は、高いから即座に使えると期待してポチります。
これらのサイトでも、イキナリの業務でも即座に使えると宣伝しています。
確かに無料で拾ってきた代物とは一線を画するのは間違いありません。
だけども・・・
・いつ作られた物か?
・どこの都道府県の許可申請か?
・本当に正しいの?
この3つを必ず確認することをお勧めします。
九州の先生が自分の地域の許可をベースに作ったものが、ほかの地域でも同じように使えるとは限りませんので。
ヒアリングシートを作るには実務の勉強が必要不可欠です。
今のご時世だとYouTubeなどで顧客向けに解説している行政書士も増えてきています。
これらも非常に参考になるかなと思います。
また昔ながらのメルマガも意外と参考になります。
私が見てきて参考になるなと思ったメルマガを紹介します。
最終的には書籍で確認が必要ですけども、実務経験に裏付けられたコンテンツが意外と多い物です。

最後に、
ここまでお読み頂き、ありがとうございます!
少しでもお役に立てれば、管理人はうれしいです!
