行政書士が自分で確定申告をするメリットは非常に大きい
今回は行政書士事務所の確定申告について思ったことについて書いていきます。
義務とはいえ毎年面倒な作業ですね。
確定申告がないと個人事業主は毎年の損益が判明しない人も多いでしょうから、義務だからと嫌々するよりも積極的にメリットを見出せると楽しくなります。
お恥ずかしい話ですが、御多分に漏れずに私も確定申告の時期に1年分の請求書をまとめて会計ソフトに入力して一気に作ります。
そのあとは国税庁のウェブサイトで確定申告書作成コーナーで申告書を作って税務署に提出します。
事務所の損益も大まかな数字は把握していますが、正確な数字は良くわかっていない面があります。
感覚的に把握するのと実際の数字を確認するのとでは雲泥の差です。
平成30年度の確定申告は電子申告で行いました。
この時の感想を別記事に書きましたのでご興味のある方はこちらもどうぞ。
URL https://3rd.blue/category1/entry30.html
行政書士たるもの自分の事務所の経理は自分でやるべし。
行政書士は書類作成のプロとしてご飯を食べる職業です。
そんな人が自分の事務所の書類を作れないのは問題だと私は思うのです。
そして行政書士の業務には記帳代行業務という業務が存在しています。
意外かもしれませんが記帳代行は税理士の専売特許ではありません。
民間企業でも記帳代行業務は行うことができます。

税理士さんは税金計算の専門家で確定申告は彼らの独占業務です。
無料でも個別の税務相談は税理士法に違反しますのでご注意ください。
会計業務をする際は税金の話は切っても切れないので、かなり神経を使います。
自分でやることのメリットは大きく二つあります。
自前で事務所の税金計算をするメリットは
・実践的な簿記の知識と財務の知識が得られる。
・ランニングコストを削減できる。
1、経理や決算、会計ソフトの操作方法の知識が付くこと。
確定申告をするに当たって、事務所の貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった決算書類を作らなければいけません。
それらを作るのには経理や決算の知識と会計ソフトの操作方法を知る必要があります。
自分の事務所の税金計算は格好の実践の場になります。

自分の手続きですから多少の失敗も許される貴重な練習の場です。
実践的な経理の知識がつくと、行政書士にとって非常に良いことがあります。
失敗が許される環境とは本当に素晴らしいです!
→建設業許可を筆頭とする許認可業務の理解が深まる。
行政書士の本貫地である許認可業務では決算や経理の知識は切っても切れない関係にあります。
たいてい営業許可の添付資料として決算書を要求されます。
建設業許可の新規や1年に一度ある決算変更届では財務諸表の作成があります。
確かに建設業許可でも経理の知識がなくても建設業法で要求される決算書類は作れます。
だけども数字を理解していないと、何をしているのか分からない状態です。
間違った処理をしていても、行政書士が気づけない場合があります。
役所から突っ込みを受けて、答えられないというのはかなり恥ずかしいです。

自分で作った許認可申請の書類に対しての質問に答えられないのは、行政書士として情けないことです。
許認可業務でお話しするのは会社の社長さんや個人事業主といった経営者です。
彼らは数字で話をしますので、財務に疎いと話についていくことができません。

クライアントや営業先で ”数字に弱い先生だ・・・” と思われてしまえば
ビジネスチャンスを失ってしまいます。
具体的には頼りないと判断され顧客が離れ、面談で正式な受任の難易度が上昇します。
『白い巨頭』に出てくる ”甘いお人だ・・・” というセリフみたいですね。
→継続報酬が望める会計業務の知識を実践で覚えることができる。
経理の実践的な知識があれば、自分だけで無く他人の経理を代行することも可能になってきます。
クライアントの経理を請け負うことが出来るのは事務所経営で圧倒的なアドバンテージです。
前回の行政書士が儲からない理由という記事でも書きましが、我々の仕事は基本的に継続のないスポット業務です。
建設業許可などでは更新や変更届といった定期的なニーズが生まれますが、所詮はスポット業務の集合体です。
何が言いたいかというと、一度業務を請け負ったクライアントには、別の事務所に依頼する権利があります。
建設業許可の新規申請を受任した顧客から毎年の変更届や更新申請が確実に取れる訳ではないのです。
他社の経理を代行する会計業務は毎月確実に仕事が発生していきます。
継続課金の仕事は事務所の売り上げの安定をもたらします。
また毎月クライアントの社屋や事務所に訪問することで、別の業務を受任したり紹介されたりとメリットが一杯あります。
定期的な接触で顧客を繋ぎ止めることが可能です。
だから多くの行政書士が会計業務を取り扱っています。
個人で事業をしている所の多くはご主人が営業から業務を行い、奥様が経理や総務などの事務を行うケースが多いです。
ご主人を支える奥様にとって、毎月の経理業務は煩雑で面倒なもので自分でやりたくないと思われる方がいらっしゃいます。
そのような方にとって、低価格で面倒を取り払いますとアピール出来れば会計業務を受任できます。
会計業務は競争が激しい典型的なレッドオーシャン
会計業務の欠点は競争が激しくて、かつ継続業務ゆえに受任することが難しい点です。
上記の通り記帳代行業務は税理士さんの専売ではありません。
経理ができる人なら誰でもすることが出来る仕事です。
自宅でできる仕事として記帳代行を請け負う人も少なくありません。
スーパーやコンビニで働くよりも時間の融通が利きますから纏まった時間が取れない人の仕事には打って付けです。
記帳代行は色々な事務代行会社から個人さんまで色々な人が参入しています。
ランサーズやココナラといったサイトでも会計事務所勤務経験者や現役の税理士先生と言ったプロがひしめき合っています。
ランサーズで「記帳代行」と検索すると149人のフリーランスが出てきました。

ランサーズやココナラといったクラウドソーシングサイトに税理士事務所の先生が記帳代行分野で登録しているのを見ると、これも新しい顧客獲得の一つなのだなと思いました。
そのうち行政書士も登録する人が出てくるのでしょうかね。

とあるサイトで
「建設業許可の相談に乗ります」って言う人が居てました。
曰く、行政書士事務所での勤務経験があり建設業許可申請が得意です。
かなり微妙な案件・・・
ヒドイ物になると入札許可申請書類を作成しますって、いうのも有った。
これ完全に行政書士法違反じゃないのかな。
2、費用の節約
アウトソーシングしないで自分で行えば、他社に支払う報酬がいりません。
とてもシンプルな話です。
売上高が1000万円を超えないレベルの個人事業主であれば、税理士事務所の報酬相場は月に1万円で決算料が1万円とありました。
税理士業界も随分と報酬価格がダウンしているのですね。
以前の勤め先の顧問税理士先生が月に2万円で決算料が5万円と考えると半額程度です。
会社の規模や売り上げにもよるのでしょうが、税理士や記帳代行をお願いすると大体年間で15万円程度のお金が消えていきます。
自分でやれば15万円が節約できます。
自分で確定申告をするデメリット。
メリットがあれば当然ながらデメリットも存在します。
今度は自分で記帳や決算に確定申告をする場合のデメリットをご紹介します。
確定申告は意外と時間を取られる。
確定申告書を作るに当たって、まずは毎月の請求書を月ごとに整理していきます。
毎月ごとにファイルに綴じて、取引があった日に会計ソフトに入力していれば後は決算と国税庁のHPで作業するだけです。
それでも半日は時間が取られてしまいます。
もし領収書を分別しないで全部をクッキーの缶や段ボール箱に保管しているだけで何もしていなければ・・・
まずは領収書を月ごとに整理することから始めまります。
次に請求書を会計ソフトに入力していきます。
それから決算業務を行って、今年度の損益を確定させて国税庁のウェブサイトで確定申告を作っていきます。
ここまでの作業を慣れていれば数時間で終わらせることが出来ます。
しかし経理に疎く会計ソフトの使い方や税務署の書類作成するページの使い方が分からなければ軽く1週間は時間が取られます。
しかし申告を会計事務所にアウトソーシングすれば、ほぼゼロになります。
開業当初の管理人のグダグダな確定申告
私も開業初年度は、何もしないで領収書をクッキーの缶に放り込んでいるだけでした。
あの時は大変でしたね。
領収書を整理するだけで半日かかり、会計ソフトの導入と操作方法を手探りで行っていたので取引の入力だけで4日くらい掛かりました。
しかも会計のフリーソフトを使っていたのですが、まともに動かなくて決算書も試算表も表示されない印刷できないという始末。
1年分の入力が全部オジャンになって、会計ソフトを近所のエディオンにまで買いに行きました。
確定申告書を作ろうと税務署に出向いたら、相談コーナーは長蛇の列で建物の外にまで人が並んでいました。
税務署にあった書類作成コーナーも大幅に縮小され、担当官からPCで作ってくださいと言われ、トボトボと事務所に戻ったあの日。
税務署のサイトを開けて、書類を作ろうにも操作方法の理解がイマイチで何度もやり直して、やっとのことで作り上げた書類。
トドメは控えのプリントアウトを失念して、税務署にはトータルで3回も行きなおす羽目になりました。
何だかんだと1週間は吹っ飛んだ計算です。

あの時は本当に悲惨でした。
誰にも相談できない状況で必死にやっていました。
今でこそ全部で半日もあれば、済ませることが出来ます・・・。
正確ではない確定申告をしてしまい、余計な税金や社会保険料を支払うリスク。
もう一つ自分でする場合のデメリットを紹介します。
税理士さんは税金のプロです。
我々がどれだけ勉強しても本職の人には勝てません。
税務の世界には色々な手続きがあり、うまく活用できれば節税など不要なコストを削減することが出来る場合があります。

これは行政書士に同じことが言えます。
許認可に関することは行政書士が一番知っています。
お客様からもそう思われるように頑張っています。
役所の常で有利な制度については、積極的にはアナウンスされません。
特に消費税関係では赤字でも支払いが発生しますから要注意です。
知らないが為に余計なコストが発生して後悔したという話はよく聞きます。
行政書士が自分で確定申告をする意義は大です。
確定申告をやり慣れていないと自分でするのはかなり大変だと思います。
だけどもそれ以上に行政書士にとっては良いことがあります。
実践的な財務知識に会計業務への取っ掛かりが手に入ります。
また建設業許可などでは会計や確定申告書に関する知識は必要不可欠です。
建設業許可で財務諸表を作る場合、建設会社さんが税理士事務所に作ってもらった確定申告書にある財務諸表をベースに作成します。
この時に確定申告を自分で出来るスキルがあると、断然ラクに業務を進めることが可能です。
経理のノウハウが有れば建設業許可が有利になります。
経理実務を勉強するついでに建設業会計や建設業許可の勉強もすると良い結果につながるかも知れません。
読み物としても面白いですし、無料なので登録しても良いのかなと思います。
(管理人の私も読んでみて、悪くはない内容でした。)
また会計業務をアウトソーシングする面倒さを許認可に置き換えると行政書士業務に通じる部分があります。
自分でやるには手間と時間がかかり過ぎる。
その許認可に関する知識を学ぶ時間がなくて手続きを断念した、許可が取れなかった。
その時間を本業に当て込んだほうがメリットが大きいとクライアントにアピールするポイントになるかと思います。

ここまで長々とした記事をお読みいただき有難うございます。
少しでもお役に立てたら嬉しいです!
