今は国際業務がアツいです。

このところ、行政書士で入管業務が熱いです。
私が所属する行政書士会でも「国際」を事務所名に入れた新人行政書士が多い感じがします。
個人的にはイキナリ専門特化する必要があるのかなと思いますが。
行政書士業務は、業務ごとにクライアントの性質も仕事の質も変わります。
国際業務は・・・
かなり向き不向きがあるジャンルのように感じます。

 

行政書士の専門業務に関する管理人の意見を別のコンテンツでご紹介しております。
こちらも併せてお読みいただけますと、とても嬉しいです。

 

 

行政書士の専門業務に関する記事はこちら。

 

 

 

個人的には専門業務も大事ですけども、これに拘り過ぎると見えるものも見えなくなるリスクがあります。


 

 

そんな事はともかく・・・
これから入管業務を始めたいと希望に燃える行政書士の方に、役に立つ実務書をピックアップしてみました。
色々な実務書を買い漁って、比較的に使えるものを厳選しています。
中には微妙なものも含まれますけども。

 

今回の記事で取り上げるのは、PDFが4種類、書籍が14冊の計18種類の資料です。
入管業務の基本的な知識は、これでOkだと思います。
ジャンルは「総合」、「ガイドライン」、「国政結婚」、「就労ビザ」、「経営管理」、「永住ビザ」、「帰化申請」です。
基本的にPCでダウンロード、大型の書店かアマゾンで購入できるものを取り上げています。

 

総合分野

・出入国審査要領

 

・新版、詳説入管法の実務 山脇康嗣
・よくわかる入管法 第4版 山田 鐐一 (著), 黒木 忠正 (著), 高宅 茂 (著)

 

 

山脇弁護士の入管法の実務は高いですけど、絶対に読むべき内容です。
これ以上に詳しく書かれた入管業務の本は存在しません。
(読みやすいとは言っていない)


 

・第5版 よくわかる入管手続―基礎知識・申請実務と相談事例―
・注解・判例 出入国管理実務六法 令和2年版
・ひと目でわかる 外国人の入国・在留案内《16訂版》-外国人の在留資格一覧-

 

応用編

・実務家のための 100の実践事例で分かる入管手続き M川 恭一 (著), 長谷部 啓介 (著)

 

 

他にも読んだほうが良い実務書はありますが。
入手困難な資料も結構あります。
今回の記事では、確実に手に入るものを選びました。


 

ガイドライン

 

在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン
永住許可に関するガイドライン
在留特別許可のガイドライン
帰化の手引き

 

国際結婚

 

・改訂版 必ず取れる日本人の配偶者ビザ!国際結婚手続ガイド 小島 健太郎
・改訂 外国人のための国際結婚手続マニュアル 佐野 誠 (著), 宮川 真史 (著)

 

就労ビザ

 

・必ず取れる就労ビザ! 外国人雇用ガイド 小島 健太郎
・すぐに使える!事例でわかる!外国人実習・雇用実戦ガイド 改訂版 佐野 誠 (著), 宮川 真史 (著), 野口 勝哉 (著), 西澤 毅 (著)

 

就労ビザ関係の本は多数出版されていますので、色々な本を読んで相性が良い本を探すのも悪くありません。

 

経営ビザ・外国人の会社設立

 

・必ず取れる経営管理ビザ! 外国人会社設立ガイド 小島 健太郎
・改訂 外国人のための起業・会社設立支援マニュアル 佐野 誠

 

永住ビザ

 

・必ず取れる日本永住権!外国人の永住権許可申請ガイド 河原木 惇
・行政書士の実務 帰化・永住・在留許可申請業務 木本 博之

 

帰化

 

・必ず取れる日本国籍! 帰化申請ガイド 小島 健太郎
・帰化手続の手引 横尾 継彦 、 篠崎 哲夫
・帰化の手引き(法務省が発行)

 

国際行政書士としての基礎知識

現在入手が可能で使いやすい入管業務の実務書です。
最初に入管法の概要を『よくわかる入管法 第4版』を軽く目を通すと良いと思います。
コンパクトにまとめられていて、読みやすい本です。

 

次に『第5版 よくわかる入管手続―基礎知識・申請実務と相談事例―』でビザ申請のやり方を勉強します。
この書籍は国際業務で有名な行政書士法人ACROSEED(アクロシード)の代表社員の著作です。
お勧め書籍でもアクロシードが著者になった書籍が多数登場します。

 

多くの国際行政書士が愛用する実務書です。
一通りの手続きのやり方がわかります。
全体像を理解するには最適です。

 

大半のビザ申請のやり方を網羅する反面、国際結婚や就労ビザなど個別の論点は完全にフォローし切れておりません。
そのため行政書士法人ACROSEED(アクロシード)は国際結婚、就労ビザ、経営ビザなどの個別の解説書も出版しています。
値段が4000円と安くありませんが、必読書かなと思います。

 

入管業務の全体像が分かってきた段階。

次は全体像がある程度、理解できた段階で読む書籍をご紹介します。
この段階で読む資料は2種類あります。

 

・新版、詳説入管法の実務 山脇康嗣
・出入国審査要領

 

インドネシア専門の国際行政書士も、この2冊を徹底的に読み込んだとあります。

『新版、詳説入管法の実務 山脇康嗣』は入管業務を行う上でのバイブルです。
数ある入管業務の書籍で一番詳しいものだと思います。
国際業務をするなら、絶対に読破するべきものです。
私も旧版と新版を両方所持しています。

 

欠点は読みにくいことですね。
文書がギチギチに詰め込まれています。
文書の切れ目が分かりにくく、油断すると違う論点を読み進めてしまうこともあります。

 

個人的には『詳説入管法の実務』の読み込みは国際行政書士の通過儀礼かと思います。
この文書を読みこなせないと、実務は厳しいかも知れませんね。
あと価格も新版が定価7000円越えと非常に高額です。
ちなみに旧版はすぐ絶版になり、プレミア価格で購入か電子版しかありませんでした。

 

 

当サイトの管理人も旧版は15000円で購入しました。
当時は旧版が絶版状態で、アマゾンでプレミア価格がついている物しかありませんでした。
高い買い物でしたが、それだけの価値はありました。


 

次に『出入国審査要領』です。

これは出入国在留管理庁が審査官向けに用意した資料です。
国際業務の行政書士のウェブサイトで「入管局の内部基準」などと書かれている場合は、出入国審査要領のことです。
入手先は日行連のサイト(連コン)から無料でダウンロードできます。
入手する場合は連コンに登録が必要です。

 

『詳説入管法の実務』だけではフォローしきれない、最新の法改正の情報や審査の内容を知るうえで必須です。
あとボリュームが非常に多いです。(pdfで700ページ前後あります。)
さらに肝心な部分は墨塗り状態で、まったく読めなくなっています。
ひどい部分だとページ全体が真っ黒な場所も少なくありません。
別名「のり弁」というあだ名が付いています。
それでも出入国審査要領は、参考になる情報が多数掲載されています。

 

 

個別論点

ここからは個別的な論点について

 

・『第5版 よくわかる入管手続―基礎知識・申請実務と相談事例―』
・新版、詳説入管法の実務 山脇康嗣
・出入国審査要領

 

上記の3点で基礎的な部分は完成します。
下の書籍はご自身の専門に合わせて、読むかどうかをご判断ください。
個別論点でも『新版、詳説入管法の実務 山脇康嗣』には勝てない部分が多いです。
山脇先生の本は辞書的に使うケースが多いですね。

 

ここからは個別論点でのお勧め書籍ですね。
ぶっちゃけると個別論点で比較的に新しい物になると、二人の著者しかありません。

 

・行政書士法人ACROSEED(アクロシード)
・さむらい行政書士法人

 

どちらも東京の行政書士法人です。
入管業務にボリュームは圧倒的に東京一極集中です。
二番手は名古屋ですけども、東京の3分の1程度のマーケットになります。
しかも名古屋は製造業系で日系人が多くて、ほぼ人材派遣会社や招聘企業がビザの手続きを行っている現状があります。

 

個別論点の解説書は著者によって癖があります。

さむらい行政書士法人の代表が書いた本は、分かり易さを最重視しています。
自己申請する方も読者の対象にしているためです。
分かり易さに全振りしているため、個別の論点に関しては詳しい解説は少ないです。
入管法の条文もほとんど出てきません。
書類の集め方と作り方に特化しています。

 

あと小島健太郎先生の本は、多くの入管業務の行政書士がホームページの記事作成で使っています。
これからウェブサイトを作る方にも非常に参考になると思います。
半面、この内容を丸写しもしくはリライト(書き直し)したものをアップすると・・・
最悪、ほとんどアクセスがこない記事を量産することになります。
同じ記事ばかりが上がるので、ドメイン(URL)が弱いと競争に負けます。

 

 

入管業務はネット集客が中心になる業務が多いです。
そこで検索結果の上位に食い込めないと、広告を打ちまくるしかありません。
広告価格も高騰していますので、事務所の体力勝負になります。
小島先生やほかの専門家の内容を丸写しだと、SEOは厳しいです。
色々な人が書きまくってしまい、少々のリライトではコピー扱いされます。


 

逆に行政書士法人ACROSEED(アクロシード)は同業者向けに書かれた本です。
法律的な論点がページの多くを占めます。
実務をする上では、複数の書籍や資料を併用する必要がありますね。

 

帰化

帰化申請は一番新しいのが、『必ず取れる日本国籍! 帰化申請ガイド 小島 健太郎』のみです。
他は10年前くらいの書籍しかないのが現実です。
一番新しいものでも、数年前のものになります。
あとは法務省が発行している『帰化の手引き』も最新の事例とは言い難い面がありますね。

 

 

帰化と永住は資料が少ないです。
実質上は山脇先生の実務本、さむらい行政書士法人の本、役所発行の手引きとガイドラインですね。


 

応用

最後に応用編です。
『実務家のための 100の実践事例で分かる入管手続き M川 恭一 (著), 長谷部 啓介 (著)』です。
これは国際業務に長けた行政書士が実際に経験した難案件を解説したものです。
イレギュラーな案件への対処法を勉強するには打ってつけです。

 

 

入管業務をやっていると分かりますが、依頼になる案件はイレギュラー案件ばかりで参考書だけでは、何とも判断が付かないものなんてザラにあります。


 

入管業務をマスターする為のメルマガ

私が入管業務をメインにする切っ掛けとなったメルマガを紹介します。

 

 

入管業務を勉強する為のメールマガジン

 

 

これは入管業務専門のさむらい行政書士法人の小島健太郎氏が執筆している物です。
国際結婚から就労ビザ、経営管理、永住、帰化と国際業務はほぼ網羅しています。

 

非常に勉強になりますので、良かったら登録してみては如何でしょうか。

 

あとがき

簡単ですけども
国際業務の実務書を紹介しました。
個人的に良いと思い、かつ入手が簡単なものをピックアップしました。
あとは行政書士会で行われる研修ですけども。
ぶっちゃけると、大学の概論の授業と同じようなものです。
全体像をサラッとしか教えてくれません。
実際の対応法やヒアリングシートの作成には不向きです。
ただ本格的に勉強する前に、一度は聴講しておくと良いと思います。

 

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