後ろ向きなダブルライセンスより営業やマーケティングを勉強すべし。
ダブルライセンスについてお話をしようと思います。
ダブルライセンスとは行政書士の他に別の士業資格を取得して複数の独占業務を事務所で取り扱うことを指します。
資格試験の予備校などはダブルライセンスを奨励しています。
資格対策講座を販売する立場からのポジショントークです。
ネット上にはポジショントークが溢れかえっていますので、話半分で見るくらいで十分だと思います。

ダブルライセンスは必要かと言われると・・・
正直微妙な気がします。
その人に置かれた状況でアドバイスする内容が変わるからです。
ダブルライセンスを取った方が良い場合。
取った方が良いと思う理由
・行政書士とのシナジー効果を生み出せる。
・どうしてもヤリタイ仕事が出来た。
シナジー効果が出る。
ダブルライセンスのメリットは、行政書士では出来ない業務を自社で取り扱うことが出来ることです。
行政書士の範囲外の仕事を外注に出さなくても自分で受注すれば、売上は倍になります。
ダブルライセンスで多いのが行政書士と司法書士です。
会社設立や相続など二つの資格があれば完結させることが出来る業務が少なくありません。
相続であれば、相続登記に手続きに遺言書が可能になります。
行政書士は家庭裁判所の書類が出せないのがきついですね。
提携するなど工夫次第で行政書士でも相続は可能です。
会社設立なら定款の作成に登記申請に各種営業許可が出来ます。
また宅建業免許の新規申請だったら、不動産屋の開業後の不動産登記の仕事を受注できる可能性が高いです。

相続案件をメインにするのであれば、司法書士の資格はあった方が良いですね。
建設業界なら行政書士と社労士が最高かも
建設業許可を業務にしている観点からですが、社労士があればもっと業務の幅が広がるのになと思うことがあります。
建設業は社会保険や労働保険関係の手続きが非常に多いです。
社労士で建設業界専門という人も少なくないですよ。
一人親方のクライアントが増えてきましたら自前で労働保険事務組合を設立するという選択肢も出てきます。
行政書士の資格で建設業許可に決算変更届や変更に更新、経審と入札資格申請を行い。
社労士の資格で社会保険関係の仕事や給料計算などの事務仕事を請け負う。
ある意味で建設業界で一番強いのが行政書士と社労士の組み合わせだと思います。

建設業許可の仕事をしていると、社労士の資格が欲しくなりますね。ホントに。
どうしてもヤリタイ仕事が出来た。
例えば著作権の調査(自分のデザインが他人の著作権を侵害していないか調べる仕事)や著作権の登録を業務にしている行政書士が、知的財産の分野を極めたいと考えて弁理士の資格を目指すという場合です。

自分も多少のデザインをする関係上で、著作権の調査などは著作権相談員の仕事になる気がしますが、デザイン事務所等との繋がりが必要ですね。
他にも入管の仕事をもっと深く関わりたいと弁護士の資格を取った行政書士もおられます。
このように行政書士を続けているうちにヤリタイ仕事が見つかって、ほかの資格にトライするのは有意義なことだと私は思います。

行政書士の登録をしていたら、弁理士試験で一部免除があったはずです。
ダブルライセンスをお勧めしないケース。
行政書士事務所の仕事が上手く行かないから他の資格で挽回しようとする場合があります。
実際に私の後輩の行政書士も仕事がないから社労士を取得しようとしていました。
上記の二つの場合は、行政書士の仕事がある程度は出来ている状態ですけどもこのケースは後ろ向きなダブルライセンスです。
二つの資格を取得しても根本的な問題の解決になりません。
後ろ向きな動機で他の士業資格を取得しても、事務所経営が好転することは無いでしょう。
原因は営業やマーケティングが出来ていないことです。

ダブルライセンスになっても、「資格は取りました、さて何処からお客さんを引っ張ってきましょうか?」の問題が再燃します。
資格を取得して登録した後に再び営業の問題が姿を現します。
集客も営業も不十分な状態だと例え弁護士や公認会計士、不動産鑑定士資格を取っても、お客様がいない問題が解決しません。
後ろ向きなダブルライセンスは単純に自分が営業もネット集客も出来ていない問題を先送りにしているに過ぎないのです。
他の資格を取るまでに時間がかかり過ぎます。
士業資格はどの試験も難関です。
仕事の片手間にサクッと取れるような代物ではありません。
資格試験に合格するためには年単位の時間を必要とします。
合格率も一桁%が当たり前の世界ですので、何年たっても合格できない可能性が高いです。
一番悲惨なのは数年かかっても合格できなかった時です。
試験勉強に時間を取られて、何も残らず歳だけ重ねたのは目も当てられません。

年齢が上がれば上がるほどにやり直しが効かなくなっていきます。
ダブルライセンスを取る時間を営業やネット集客の勉強に費やす方が建設的です。
前向きなダブルライセンスは大いに賛成します。
後ろ向きな受験は止めておきましょう。
時間の無駄です、問題を先送りしているに過ぎません。
それよりもDMやチラシの作り方を勉強したり、ネット集客のためのサイトを作りまくった方が絶対に良いでしょう。
営業関係のビジネス書を読み込んだり、ビジネスマナーをキッチリと勉強したり、営業関係(士業系はNG)のセミナーを受けてみることをお勧めします。
また広告を打つための資金を稼ぐことをお勧めします。
少なくとも他士業資格を取得するよりも短時間で済みますし、何よりも事務所経営が好転する可能性が高くなります。
ネット集客を成功させるコツは、圧倒的なインプットになります。
実務書やセミナー若しくはメルマガ等も悪く無いと思いますよ。
私も色々なメルマガを取ってきました。
その中で役に立ったと思える行政書士のメルマガをご紹介します。

今更メルマガと思われる方も少なく無いと思いますが。
優良な情報が意外と多い物です。
私もネット集客の勉強を本気でしました。
開業当初の私も仕事がなくて、ダブルライセンスを考えたことがあります。
だけども他の士業資格を受験しようとは思えませんでした。

矛盾していますね。行政書士試験も記述式の採点基準が緩かったから合格できたクチなので、もう一回士業の試験に合格できるとは思えなくて、スグにダブルライセンスの案は消えました。
行政書士の資格も運よく記述式と一般知識の点数で80点近く取れたから何とか合格できたクチです。
完全にマグレで合格した身ですので、もう一度試験を受けても合格できる自信は全くありません。
二度と資格試験を受けたくないという思いが非常に強いです。
本気でネット集客の勉強
行政書士の営業として人と会うというのがありますが、交流会に参加しても隅っこで座ってるだけの私には絶望的に不向きでした。
結局自分にはネット集客しかないと思いました。
そしてインターネット集客の勉強を本気で行いました。
多分同業者の中でもネットマーケティングとSEO対策には詳しいと自負できる程度のスキルはあると思います。
実際に「建設業許可+都道府県」や「宅建業免許+都道府県」のキーワードで上位表示(10番以内)に入るサイト所有しています。

このサイトも「行政書士+開業」で平成30年11月現在、6位〜10位と変動しますがGoogle検索で1ページ目に入っています。
「行政書士+開業」もかなり競合が多いKW(キーワード)です。
色々な行政書士のブログに士業コンサル系や行政書士開業支援系のウェブサイトがしのぎを削るレッドオーシャンです。
そんなKWで上位に上げることが出来ました。
ネット集客は乱暴な言い方をするとSEOでお客様が検索するKWで上位食い込めば、お問い合わせを獲得することが可能です。
デザインは二の次です、上位表示して濃いアクセスの方が大事です。
最後に
行政書士がある程度、上手く行っていて、さらに発展させる目的や本当にヤリたい業務が分かった上での前向きなダブルライセンスは素晴らしいです。
逆に事務所経営の集客が上手く行かず、営業やマーケティングから逃げる目的でのダブルライセンスは頂けません。
駄文ではありますが、私の複数の士業資格に対する思いを書きました。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
